交野市教育委員会は2026年4月に策定した市立学校教職員向け生成AI利活用ガイドラインを、7月30日に公開しました。市の資料は、校務・学習の一律禁止や義務化ではなく、目的やリスクを踏まえて学校が判断するための参考資料と位置づけています。
ガイドラインが示す基本線
交野市教委は、利用方針について次のように明記しています。
> 「学校現場での生成 AI の利活用を一律に禁止したり義務付けたりするものではない。」
>
> 出典:交野市教育委員会「生成 AI 利活用ガイドライン」
> https://www.city.katano.osaka.jp/docs/2026072700042/
同資料は、出力を参考情報として扱い、最後は人間が判断して成果物に責任を持つこと、学習指導要領上の目標に役立つかを吟味することを示しています。校務利用では、教育委員会の方針に従うこと、成績等の重要情報を入力しないこと、サービスの利用規約を確認することが挙げられています。児童生徒が使う場合は、教師の指導監督、発達段階に応じた配慮、保護者への説明なども求めています。
学校で実際に決めておきたいこと
ガイドラインの公開だけで校内運用が整うわけではありません。学校ごとに、利用を認めるサービス、入力してはいけない情報、出力を確認する担当、児童生徒に許す作業、AI利用を提出物に記載する方法を決める必要があります。校務で試す場合も、まずは教材案や挨拶文の下書きなど、個人情報を含まない用途から始め、教職員が事実確認と修正を行う流れを用意すると運用を点検しやすくなります。
学習活動では、AIを使うこと自体を目標にせず、発想を広げる、議論に不足した観点を見つける、英会話を練習するといった学習目的に結び付けて判断することが大切です。成果物をほぼそのまま提出させる、教師の評価をAIだけに任せるなど、資料が不適切例として挙げる使い方も共有し、課題ごとに許可範囲を明示すると、生徒と教員の認識差を減らせます。
他自治体が参照する場合の注意
交野市の資料は同市立学校の参考資料です。市外の学校が文面をそのまま採用するのではなく、自校や自治体の情報セキュリティ規程、契約サービス、端末環境、保護者説明の手順と照合する必要があります。共通の原則を参考にしつつ、責任者や連絡経路を実際の校内体制に合わせて定めることが、使えるガイドラインにする条件です。
先生・管理職への確認点
- 校務用・学習用それぞれの利用可能サービスと責任者を決める。
- 成績、個人情報、未公開情報を入力しない手順を明文化する。
- 課題ごとに利用できる作業と提出物への記載方法を示す。
- 教員による出力確認と、保護者への説明方法を決める。
まとめ
交野市教委の資料は、人間の判断と教育目的を軸に、校務・学習利用の注意点を整理しています。参考にする学校は、方針を掲示するだけで終わらせず、利用サービス、入力情報、確認責任、課題ルールを自校の環境に合わせて運用手順へ落とし込むことが重要です。
出典:交野市教育委員会「生成 AI 利活用ガイドライン」
https://www.city.katano.osaka.jp/docs/2026072700042/



