教育AI活用協会と探究推進機構が、教育関係者向けオンラインワークショップを今年11月7日にオンライン開催します。生成AI時代における「教える」から「伴走する」への転換を、探究ナビゲーターの視点から体験的に学べる内容です。
探究学習を支える関わり方を見直す2時間
一般社団法人教育AI活用協会(AIUEO、東京都港区)は2026年11月7日、教育関係者向けオンラインイベント「AI時代の学びを支える大人の役割―探究ナビゲーターの視点を体験するワークショップ―」を開催します。共催は一般社団法人探究推進機構(TAO、兵庫県神戸市)。会場はZoom、参加費は無料です。
イベントは「探究×AI」シリーズの前編に位置づけられており、生成AIの活用が広がるなかで、大人が知識を教えるだけでなく、学習者自身の問いや学びをどう支えるかを考える構成になっています。
背景にあるのは“正解を伝える”ことの難しさ
案内文では、教育現場でよくある悩みとして「生徒から相談されると、つい答えやアドバイスを伝えてしまう」「自律的に考えてほしいが、どこまで関わればよいか迷う」「問いかけてみても、なかなか学びが深まらない」といった声が挙げられています。
生成AIによって情報や知識へのアクセスが容易になった今、学習者が自ら問いを持ち、考え、試行錯誤しながら進む過程を支える役割が、これまで以上に重要になっています。本ワークショップは、その役割を「探究ナビゲーター」という実践知として学ぶ機会です。
講義とロールプレイで“関わり方”を体感
当日は、AI時代の学びや主体性に関する講義に加え、観察・傾聴・問いかけといった探究ナビゲーターの基本姿勢を学ぶ入門編が実施されます。そのうえで、ナビゲーションの進め方を確認する基礎講座、学習者役とナビゲーター役に分かれるロールプレイ実践、振り返り、Q&Aまでを含む参加型プログラムが予定されています。
特にロールプレイを通じて、「教える」と「ナビゲートする」では何が異なるのかを参加者同士で共有できる点は、学校現場や塾、フリースクールなどで日々学習者と接する人にとって実践的です。なお、当日の参加人数や進行状況に応じて内容・時間配分が調整される場合があります。
対象は学校教員から教育委員会、支援職まで幅広い
対象者として案内されているのは、学校教員、探究学習担当者、教育委員会、フリースクール、学習支援関係者、そのほか教育関係者です。生徒の主体性を引き出す関わり方を考えたい人、答えやアドバイスを伝えることと任せることのバランスに迷っている人、観察・傾聴・問いかけを実践的に学びたい人に向く内容といえます。
AI活用が注目される時代だからこそ、ツールの使い方だけでなく、人がどのように学びを支えるかを問い直す設計になっている点が特徴です。
登壇者はTAOで探究支援に取り組む実践者
登壇者は、神戸情報大学院大学学長で一般社団法人探究推進機構(TAO)代表理事の茂谷俊樹氏、多摩大学大学院客員教授でTAO理事の矢萩邦彦氏です。
茂谷氏は、マサチューセッツ工科大学で教育研究に携わり、「第三の教育」を提唱。ラーン・ツバ・グローバルスクールの創設などを通じて、約30年にわたり探究的な学びを実践してきたと紹介されています。矢萩氏は、知識学舎塾長として探究的な学びを実践し、学校や民間教育の現場で授業・講演・研修を重ねながら、リベラルアーツを軸に学習者の主体性や思考を育てる活動に取り組んでいます。
両氏が関わるTAOは、学習者が自ら問いを持ち、考え、試行錯誤しながら学ぶ過程を支える大人の役割を「探究ナビゲーター」と呼び、その普及・育成に取り組んでいます。
「探究×AI」シリーズ全体の入口として開催
なお、今回のイベントは「探究×AI」シリーズの前編です。シリーズ全体では「AIを使うチカラ。問いを創るチカラ。」をテーマに、AI時代の探究学習を考える企画として構成されています。
前編となるこの11月7日ワークショップでは、学習者の学びを支える関わり方を体験。続く後編は11月14日に予定されており、「教育AIサミットONLINE」のなかで、学校現場の実践や子どもたちの発表を通じて問いをさらに深める構成です。案内には、学校現場のAI活用実践コンテストの最終結果発表や、探究×AIをめぐるパネルディスカッション、生徒発表なども記載されています。
💡 先生へのポイント
- 生成AIの導入検討と並行して、「生徒に何を任せ、どこで支えるか」を校内で言語化する機会になります。
- 面談、総合的な探究の時間、進路指導、塾での伴走支援などに応用しやすい内容です。
- 教員研修として参加する場合は、終了後に「助言」と「問い返し」の使い分けを共有すると実践につながります。
まとめ
今回のイベントは、AI活用のスキル研修というより、AI時代における教育者の関わり方そのものを見直すためのワークショップです。学習者の主体性を支える伴走のあり方に関心がある学校・塾・支援現場にとって、実践の視点を得る機会になりそうです。





