NaviNichi社は今年、留学準備から進学・就職・在留手続きまでをつなぐAIプラットフォーム「NaviNichi.AI」を開発し、本格展開を進めています。学校現場では、外国人学習者支援と事務負担の両立に向けた実装ヒントとして注目できます。
外国人受け入れの分断をAIでつなぐ新サービス
NaviNichi株式会社(東京都千代田区)は2026年、外国人と学校・企業・行政をつなぐAIプラットフォーム「NaviNichi.AI」を発表しました。特徴は、利用者向けアプリと、大学・日本語学校・企業向けの管理システムを、同じAI分析エンジンで連携させている点です。来日前の在留手続き、学校選び、来日後の住民登録、進学、就職、定着支援までを、一つの流れとして扱えるように設計されています。
外国人材や留学生の受け入れでは、制度や相談窓口、必要書類の情報が分散しやすく、本人にとっても学校にとっても手続きが煩雑になりがちです。今回の発表は、この分断された情報と業務をAIで再接続し、案内と実務処理を同時に支える仕組みを示したものといえます。
学校向けでは「案内」と「管理」を同時に支援
学校向け管理システムでは、出席状況や在留期限、出入国在留管理庁への対応などを管理し、担当者に次の対応を提示するとされています。単なる情報蓄積ではなく、「次に何をすべきか」をAIが示す点は、国際担当部署や教務、学生支援部門の実務に直結しやすいポイントです。
特に、外国人留学生の受け入れでは、学習支援だけでなく、在留資格関連の期限管理、書類確認、進学・就職に向けた情報提供など、教育と事務が密接に絡みます。NaviNichi.AIのように、学習者本人への案内と学校側の管理業務を切り分けずに扱う仕組みは、支援の抜け漏れ防止や担当者間の連携強化に役立つ可能性があります。
汎用AIではなく実務特化型AIとして精度を訴求
今回の発表で注目したいのは、AIを単なる対話支援ではなく、実務処理に耐える仕組みとして位置づけている点です。利用者の登録情報を基に、必要書類、申請区分、対応状況を、学校や企業の実務で扱えるデータとして整理し、進捗管理や帳票作成までつなげるとしています。
さらに、情報不足や記載矛盾、専門判断が必要な場合には、AIだけで処理を確定させず、人による確認や追加資料の依頼、行政書士への引き継ぎに切り替える設計です。教育機関でAI活用を進める際にも、すべてを自動化するのではなく、例外処理や人の判断を前提に組み込む発想は重要です。
在留申請帳票の生成では、同社による検証でNaviNichi.AIが96%、汎用AIが61%だったとされます。ここで評価されたのは文章の自然さではなく、文字種、コード、桁数、日付形式、必須項目、条件分岐といった申請実務に必要な形式適合です。学校現場でも、AI導入を考える際は「説明がうまいか」だけでなく、「学校業務のルールに沿って処理できるか」を見る必要があります。
導入状況から見える教育分野での可能性
発表によると、リリース2カ月で登録者6,000人超、累計アクセス数は200万回に到達。教育機関では大学や日本語学校など7校でテスト導入が進んでいるとのことです。企業側でも5社と協議が進み、採用から在留手続き、定着支援までの機能検証が行われています。
学校にとっては、留学生募集の拡大だけでなく、受け入れ後の伴走支援をどう持続可能にするかが課題です。AIを活用して、個々の状況に応じた情報提供と、担当者側の進捗管理を一体化できれば、国際化対応を特定の担当者の経験や属人的運用に頼りすぎない体制づくりにつながります。
💡 先生へのポイント
- 留学生支援では、学習面と生活・在留面の情報を別々に管理しない設計が重要です。
- AI導入時は、チャット機能の便利さだけでなく、期限管理や帳票作成など実務適合性を確認しましょう。
- 情報の不足や例外案件を人が確認する運用を前提にすると、学校でのAI活用は現実的になります。
- 国際担当、教務、キャリア支援の連携基盤としてAIを位置づけると、支援の抜け漏れを減らしやすくなります。
まとめ
今回の取り組みは、外国人学習者・学校・企業を同じAI基盤で結び、留学準備から進学、就職、在留実務までを一気通貫で支えることを目指すサービスです。学校現場にとっては、AIを相談対応だけでなく、国際教育と受け入れ事務をつなぐ実務基盤として活用する視点が、今後ますます重要になりそうです。
出典:外国人と学校・企業をAIでつなぐ「NaviNichi.AI」 | NaviNichi株式会社のプレスリリース https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000001.000186664.html


