今年8月7日、全国237件の応募から6チームが全国大会に進出し、AIで社会課題の解決に挑む「第2回 U18 AIチャンピオンシップ」全国大会が行われました。探究学習や校内コンテスト設計の参考として、テーマ設定や評価観点のヒントが得られる内容です。
全国237件から6チームが決勝へ
一般社団法人教育AI活用協会(東京都港区)は、2026年8月7日に「第2回 U18 AIチャンピオンシップ」全国大会を衆議院第一議員会館で開催しました。大会は「教育AIサミット2026」の一部として実施され、中高生・高専生世代がAIを活用して社会課題の解決に挑む場として位置づけられています。
今回は全国から237件の応募があり、書類選考とエリア予選を経て6チームが全国大会に進出。健康、ものづくり、観光・防災、スポーツ、教育といった幅広いテーマで、参加者が自分の関心や身近な課題を起点にした提案を発表しました。
グランプリ受賞は高3生「SkinA」
今回のグランプリとデジタル大臣奨励賞を受賞したのは、佼成学園高等学校3年の星晴登さんによる「SkinA」でした。表彰式には松本尚デジタル大臣が臨席し、受賞者へ表彰状が手渡されました。
準グランプリは、済美平成中等教育学校の2人による「AIを用いた曲げ試験装置の作成」。優秀賞には、「学生向けエモ巡りAI」「日田市の観光や防災に利用できるコンシェルジュマップの開発」「疲労を数値化し、練習を提案するアプリ『Fit Analyze』」「グローバル教育の格差を埋める」の4件が選ばれました。
受賞結果を見ると、AIそのものの新規性だけでなく、誰のどんな困りごとを解決するのかが明確なテーマが並んでいる点が印象的です。生活や地域、学習環境に根差した課題設定が評価につながっていることがうかがえます。
発表から見える探究学習の現在地
全国大会では、各チームの発表後に審査員との質疑応答も行われ、着眼点、実現可能性、AIの活用方法について議論が交わされました。これは、単なるアイデアコンテストではなく、課題発見から検証、社会実装の見通しまで含めて問う探究型の大会であることを示しています。
学校現場にとって注目したいのは、発表テーマの出発点が「好き」や日常の違和感にあることです。観光、防災、スポーツ、教育格差など、教科横断的なテーマをAIで扱うことで、生徒の探究活動が社会との接点を持ちやすくなります。生成AIや機械学習を使うこと自体が目的ではなく、課題解決のための手段として位置づけられている点は、授業設計でも重要な視点です。
学校・塾が学べる3つの示唆
第1に、AI活用の学びは情報科や技術科だけに閉じないということです。地域課題、健康、キャリア、観光などと結びつけることで、総合的な探究の時間や部活動、課外プログラムにも広げやすくなります。
第2に、成果物の完成度だけでなく、課題設定の妥当性や価値の届け先を評価する枠組みが有効です。今回の大会でも、「AIで何をしたいか」より「AIで誰にどんな価値を届けるか」が重視されていました。
第3に、発表と質疑応答をセットにすることで、生徒の思考の深さが可視化されやすくなります。校内発表会や塾内コンテストでも、審査項目に実現可能性、検証方法、利用者視点を入れると、学びの質を高めやすくなりそうです。
💡 先生へのポイント
- 探究テーマは「地域」「学校生活」「部活動」など身近な困りごとから始める
- AIツールの操作指導だけでなく、課題設定と検証計画づくりに時間を配分する
- 発表評価は「新しさ」だけでなく「対象者」「効果」「実装可能性」を含める
- 校内外の発表機会を設けると、生徒の当事者意識と表現力が伸びやすい
まとめ
今回の「U18 AIチャンピオンシップ」は、若い世代がAIを使って社会課題に向き合う実践の広がりを示しました。学校や塾にとっては、AI教育をツール学習で終わらせず、探究・発表・社会接続まで含めて設計する重要性を再確認できる事例といえます。
出典:全国237件の応募からグランプリが決定「第2回 U18 AIチャンピオンシップ」全国大会を開催 | 一般社団法人教育AI活用協会のプレスリリース https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000056.000161501.html


